第3幕
第1場 アドメート宮殿の中庭
エヴァンドルと民衆はアルセストの死が近い事を嘆き「泣け、祖国よ、テッサリアの人々よ!」と歌う。
第2場
二人の子供は母親との別れが近いことも知らず無邪気に遊んでいる。そこにアドメート王の友人であるエルキュール(ヘラクレス)が登場する。エヴァンドルからことの成り行きを聞いたしエルキュールは「黄泉の国から必ずアルセスト王女を取り戻してくる!」と子供達に約束する。そして「死の神達の生贄に供えさせはしない!」と勇ましく歌う。
第3場 黄泉の国の入口
黄泉の国にやって来たアルセストは荒涼とした景色と夜鳥の叫び声に怯えている。そこにアルセストを呼ぶ地獄の神々の声が聞こえてくる。「ああ、無慈悲な神々よ!」と歌うアルセストの膝は震え、足取りは定まらない。愛する夫のため、国のためと、子供を残してまでも死を決意したが、やはり恐怖に怯えるアルセストの苦悩の叫びが黄泉の国の闇に響く。しかし神々は容赦なく「長くは待たせぬ!」と呼びかけて来る。
第4場
するとアルセストの後を追ってきたアドメート王が現れる。「共に生きられないのなら二人で死のう」と死の覚悟をした王に、アルセストは子供を託すと懇願し、「愛する妻の思い出を忘れないために生きて下さい」と説得する。そして二重唱「わたしの苦しみの声に」で互いの愛を確かめあい、固く抱き合う。しかし現れた死の神は「二人で死ぬことは許されぬ」と決断を迫る。アルセストは神の前に歩みでて「さようなら、最愛の夫アドメート」と歌う。死の神に連れ去られたアルセストを追いながら、アドメートは激怒し「地獄の道を開けよ!」と神々に叫ぶ。
第5場 
そこに約束通りエルキュールが現れると、地獄の神々を次々と倒してしまう。そしてアルセストを取り返し、アドメート王のもとに連れ帰る。
第6場 アドメート王の宮殿の中庭
帰還したアルセスト、アドメート王そしてエルキュールを民衆が喜び迎える。神アボローンが登場し、英雄エルキュールを称え、永遠の命を授ける。
第7場
アボローンの神は喜びにわく人々を称え、アルセスト、アドメート王、エルキュールは「善意の神よ!」とアボローンの神を称える。民衆も讃歌を歌い喜びに包まれて幕となる。
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