時と所:第1回十字軍時代(1096-1099)・ダマスカス(シリア)
第1幕/ダマスカスの公共広場
十字軍に勝利し凱旋した王女のアルミードを、侍従であるフェニースとシドニーが祝っている。しかし最も強いと言われている、十字軍兵士のルノーをまだ倒していないことで、アルミードの心境は複雑だった。そんなアルミードを励まそうと、フェニースとシドニーは「もっと勝利を喜んでいいのでは?」と言葉を掛ける。するとアルミードは「もう一つ心の晴れないことがあるのだ」と、2人にその理由を話し出した。何でも夢の中に敵の戦士ルノーが出て来て、彼が自分に剣を突き刺そうとした瞬間彼を愛してしまったのだと言う。そこへアルミードの伯父でダマスカス王のイドラオがやって来て、アルミードの勝利を誉め称えるが、イドラオは続けて「お前も早くいい結婚相手を見つけなければ..」と言い出すので、アルミードは「十字軍の戦士ルノーよりも、強い相手でなければ考えられません!」と切り返した。
祝賀会も盛り上がり、皆が歌や踊りに興じているところへ、突然牢獄看守のアロントが駆け込んで来た。ルノーの襲撃により、十字軍の捕虜が全員逃げてしまったと言うのだ。ダマスカスの兵士たちは悔しさに唇を噛みしめ、ルノーへの復讐を誓う。
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