第3幕/荒野
アルミードはルノーと共に遠くへやって来たものの、自分があまりにもルノーを愛し過ぎていることに不安を覚え始めた。アルミードの侍従のフェニースやシドニーは、今のところルノーがアルミードに捕えられている状況に納得顔なのだが、いつまでもこのままでいられる訳はない。アルミードは国のために十字軍を倒さねばならない立場なのだ。アルミードは意を決して、自分の心からルノーへの愛を消し去ろうと、憎悪の神の力を借りることにした。悪魔たちと共に現れた憎悪の神は、早速アルミードの心から愛を消す儀式を始める。すると突然アルミードが儀式を中断させ「やはり助けはいらない!」と叫んだ。自分の中からルノーへの愛を奪われたなら、もう生きてはいけないだろうと感じたからだ。憎悪の神は「もし愛を選ぶのなら、この先幾多もの苦悩が待っているぞ!」とアルミードを脅すと「お前がそれを望むなら、愛に身を委ねればよい Suis l'amour, puisque tu le veux」と彼女を嘲笑いながら去っていった。
第4幕へ
オペラ名曲辞典TOP