第2幕
第1場 灰の水曜日、チェッリーニのアトリエ
アトリエに逃れて来たアスカーニオとテレーザがチェッリーニの身を案じている。そこにようやくチェッリーニが戻り「一緒にフローレンスに逃げよう!」と告げ、改めて愛を誓い合う。しかし二人の夢はバルドゥッチの出現で打ち砕かれる。バルドゥッチは殺人と誘拐のかどでチェッリーニを糾弾し、テレーザにフィエラモスカとの結婚を迫る。その時ペルセウス像の仕上がり具合を見にやって来た教皇は、チェッリーニが殺人を犯したことを知り、別の彫刻家を任命すると告げる。すると激情したチェッリーニは、石膏像の型をハンマーで壊そうとする。仕方なく教皇は夕方まで猶予を与え「約束の時刻までに像を完成させれば、殺人の容疑を晴らしテレーザとの結婚を許すが、さもなければ縛り首の刑に処す」と宣言する。
第2場 コロッセウム
弟子のアスカーニオは焦るチェッリーニを励まして「しかし私はどうしたんだ」と歌う。さすがのチェッリーニも刻々と迫る期限を前に「ひどく荒涼とした山々で」と歌い、気ままな羊飼いだったらと沈んでいる。その頃仕事場では熟練工のベルナルディオとフランチェスコをはじめ溶鉱炉を守る職人達が、報酬の少ない辛い仕事に不満を募らせ暗い予言を歌う。チェッリーニが作業を急ぐように皆を宥めていると、フィエラモスカが殺し屋を連れて乗り込んで来るなり、修道院での決闘を申し込む。血の気の多いチェッリーニはこれを受け、テレーザの制止を振り切って出ていく。一方疲れ切った職人達はストライキを起こそうと団結するので、テレーザがチェッリーニの為に何とかこらえて欲しいと懇願する。そこに決闘相手のフィエラモスカが戻って来る。職人達はチェッリーニが殺されてしまったと思い込み、フィエラモスカを溶鉱炉に投げ込もうとする。するとフィエラモスカのポケットから職人を買収しようと用意してきた金貨が出てくる。一方修道院で待ちぼうけを食らったチェッリーニも、決闘は制作を邪魔するための策略だったことに気づき引き返して来る。フィエラモスカはついに観念し、彫刻作りの協力を約束する。期限の時刻が迫り、教皇とバルドゥッチが到着する。
第3場 溶鉱炉のある作業場
職人達は一生懸命に溶鉱炉に火をくべているが、ブロンズ像に使う金属が足りなくなってしまう。これで万事休すかと思われた時、チェッリーニは土壇場の思いつきで、今までの作品を全て溶鉱炉に投げ込み、職人達も手持ちの金属を投げ込んでいく。すると一杯になった溶鉱炉が爆発し、溶けた金属が鋳型に流れ込み、見事ペルセウス像が完成する。チェッリーニは約束通り教皇の赦免、彫刻家としての名声、そして愛するテレーザを勝ち取る。職人達が歓声をあげ、バルドゥッチも祝福し「彫金師に栄誉あれ」の歌で、目出度く幕となる。
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