シーン2 艦長室
一週間後、艦長のヴィアは二人の士官達を艦長室に招き「国王の為に!」とワインで乾杯をする。士官達はフランスの革命思想を非難し、一刻も早い勝利を待ち望んでいた。ヴィアも「恥ずべきフランス思想」として、その影響を警戒していると話す。すると士官達はビリーが危険分子ではないかと懸念する。しかしヴィアは「若さゆえの勇み足で張り切っているだけだ」と弁護する。その時ちょうど下の甲板から水夫達の歌が聞こえて来る。水夫達の力強い歌声に士官達は警戒心を抱く。
シーン3 第4甲板
第4甲板では、ビリーが酔った水兵のドナルドや赤ひげ達と一緒に「シャンティー」を歌っている。陽気なビリーは元気のない老水夫ダンスカーに煙草をあげようと、寝台に煙草を取りに行く。すると伍長スクィークが、ごそごそと寝台を探っているので、取っ組み合いになってしまう。そこにクラッガートが現れ二人を引き離す。スクィークは「命令に従っただけだ」と言い訳をするが、クラッガートは言葉を遮るようにビリーを褒め、水夫達を寝台に引き揚げさせる。一人になったクラッガートは「美貌」と「善良」の化身のようなビリーを破滅させたいという感情に襲われる。そこで鞭打ちに怯える新米水夫を呼び「ビリーに金を握らせて水夫の暴動を扇動させろ!」と命じる。仕方なく新米水夫はビリーに「暴動のリーダーになって欲しい」と伝えクラッガートから渡された金を見せる。しかしビリーは新米水夫の魂胆を見抜き彼を追い払う。話を聞いたダンスカーは「これはクラッガートの策略だ」と忠告するが、ビリーはクラッガートを信じ、無邪気にも昇進を夢見て歌うのだった。
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