【あらすじ】
時と所:15世紀・プラハ
第1幕/王宮の中庭
 国王ヴラジスラフ立会いの下裁判が行われ、騎士ダリボルが「プロシュコヴィッツェの城攻撃、及び領主殺害」の罪で裁かれようとしている。ダリボルと言えば勇敢な騎士で、誰もが憧れる英雄だ。民衆に紛れその場にいた彼の養女イトカは、貧しい村娘だった自分を救ってくれたダリボルを何とか助けたいと、懸命に思案を巡らせていた。多くの民衆が見守る中、訴えを起こした領主の妹ミラダが、その行為の凄惨さを「聞いてください、私の言い分を! Volam! o meje smilovani!」と語り出す。ダリボルが突然城に攻めて来て、城を荒らし兄を殺したのだと言う。それに対し当のダリボルが静かに反論した。「確かに内容は事実だが、自分は親友である音楽家のズデニェクを理不尽な理由で彼に殺されたので、その復讐のために城を攻め落としたのだ。私は友のためなら国王にでも剣を向ける覚悟だ!」と。兄にも非があったことを知ったミラダは困惑し「事実を知らずに訴えを起こしました。どうぞ彼には恩赦を!」と訴えたが、国内の城を攻めたという反逆行為は許されず、ダリボルへの判決は死罪となる。彼は牢へと連れていかれるが、取り乱す様子もなく「友よ、再会の日は近い! jiz chystaji mi cestu k tobe zas!」と歌った。
 誰もいなくなった中庭に一人取り残されたミラダは、自分がダリボルを死へと追いやってしまったことを後悔し、何とか彼を助けたいと考える。最後まで動じなかったダリボルの堂々とした勇敢な姿を見て、ミラダの心の中には同情とも愛情ともつかない感情が芽生え始めていた。そこへダリボルの養女イトカが現れ、「一緒にダリボルを救いましょう!」と持ち掛けた。
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