第3場
第1場/王宮の一室
 国王ヴラジスラフの元へ重臣たちが集まり、何やら話し合っている。衛兵隊長のブジヴォイが、国王に「ダリボル脱獄の恐れあり」と報告したからだ。証人として牢獄看守のベネシが連れて来られ、彼は自分の引き取った少年が実はスパイだったと告げる。少年に扮したミラダは、口止め料として大金を置いて姿を消したのだが、職務に忠実なベネシはこれを受け取らず、すぐさまブジヴォイに注進したのだった。こうなったら仕方がないと、国王は「すぐにでもダリボルを処刑するように!」とブジヴォイに命じた。
第2場/地下牢
 ダリボルはミラダに足枷を外してもらい、窓の鉄格子を外して脱獄の準備を整える。そしていよいよ外に出られると「自由とは何と素晴らしいことか! Ha, kym to kouzlen o svobodo, mi plas!」と歌うと、外で待つ仲間に合図を送ろうとした。するとその時..運悪く衛兵隊長のブジヴォイが現れ、脱獄は失敗に終わる。「処刑は本日中に行われる!」というブジヴォイの言葉に、再び奈落へ突き落とされたダリボルは「覚悟を決めて友の所へいこう..」と全てを諦めた。
第3幕/牢獄の周り
 ミラダを始めダリボルの養女イトカ、その婚約者ヴィーテクが、ダリボルを慕う兵士たちと共に脱獄の合図を待っている。ところがいつまで経っても合図は聞こえず、その代わりに聞こえて来たのは弔いの鐘の音と、僧侶たちの歌う合唱だけだった。脱獄が失敗したことを悟ったミラダは、男たちと共に城内へ攻め込み、イトカと残された女たちは仲間の無事を祈り続ける。暫くすると城の中から救出されたダリボルの姿が見えたが、その腕の中には瀕死の状態のミラダがいて、彼女はそのまま息を引き取った。ダリボルは剣を抜き、後を追って来たブジヴォイと兵士たちの中へと飛び込み、敢え無くその体を斬られると「愛する者たちよ!私もすぐにいく!」と叫び息絶える。(幕)
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