【基礎データ】
喜歌劇「じゃじゃ馬ならし」
Der Wuderspenstigen Zaehmung
作曲:ヘルマン・ゲッツ(1840-1876)独
Music: Hermann Goetz
原作:W.シェイクスピア
The original: William Shakespeare
台本:J.V.ヴィットマン
Libretto: Joseph viktor Widmann
初演:1874年10月11日マンハイム
上演時間:2時間17分
楽器編成:2Fl(Pic),2Ob,2Cl,2Fg/4Hr,2Tp,3Tb/Tim/Hp/Guit/Str
Banda:Fl,Ob,2Cl,2Fg,2Hr
概説:
シェークスピア原作。ドイツの作曲家へルマン・ゲッツ(1840-76)がオペラ化した。
オルガニスト、ピアニスト、作曲、指揮など、多彩な活動をし、この代表作「じゃじゃ馬ならし」の圧倒的成功にもかかわらず、結核で35の若さで世を去り、あまり後世には知られない存在となった。このオペラ創作は、1868〜1873年の5年間を要し、74年に初演された。
原作はシェークスピア初期の喜劇で、その強引な内容はしばしば問題視される。手の付けられないじゃじゃ馬娘のカタリーナが、求婚者の粗野な男ぺトルーチオによって力ずくで調教され、従順な女にされて結婚するという物語である。
ゲッツ版のオペラでは、カタリーナとペトルーシオの性格も、その関係も大きく改変された。攻撃的で我が儘放題なはずのカタリーナは早くも第2幕でぺトルーシオへの愛を歌う。終幕では、ペトルーシオの横暴な態度は実は演技で、カタリーナの性格を変えるための芝居だったことが明かされる。ペトルーシオは本当は優しく、愛するカタリーナのためにあえて悪役を演じたということになっている。そして二人の愛の二重唱となり、「心と星を結びつけてくれる神の世界の愛」と歌われる。
オペラ鑑賞の一方で原作と比較し、シェークスピアのテキストの裏にゲッツのオペラ的事情が隠されているのか否か…を考察するのも一興かと思われる。

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