第3幕
 イタリアの戦場。レオノーラと別れて、1人で逃げ延びたアルヴァロは、イタリア戦線で士官として活動していた。彼はレオノーラは、既に亡くなってしまったと思い込み、ロマンス「天使のようなレオノーラ」で、昔の甘い恋を回想する。そのとき敵と戦う戦友の声を聞き、彼は1人の戦友を救出するが、その人とは因縁のカルロだった。だが2人は互いに偽名を名乗り、変わらぬ友情を誓う。そして戦いが開始され、アルヴァロが負傷して、カルロに最後の願いとして、小箱を取り出して、もし自分が死んだらこれを焼き捨ててくれと頼む。アルヴァロがテントの中に運ばれた後、軍医がカラトラーヴァ軍賞のことを話したとき、異常に興奮したアルヴァロに疑いを持ち、良心の咎めを感じながらも、カルロはついに例の小箱を開けてしまう。それには妹の肖像画が入っていて、見つけたときに軍医が、アルヴァロは助かったと告げる。カルロはそれを聞いて、これで仇討ちが出来ると喜ぶ。アリア「この中に私の運命がある」と、続くカバレッタ「やはり助かった」がうたわれる。
 全快したアルヴァロに、カルロはすべて話して、改めて決闘を申し込む。アルヴァロは親友の誓いを破ったと憤慨するが、カルロの話からレオノーラの生存を知って喜ぶ。だがカルロは妹もお前も殺すというので、仕方なくアルヴァロも剣を抜いて応戦する。結局は巡邏兵に決闘を止められ、アルヴァロは運命の怖さを感じて、剣を捨てて修道院に入ることを決心する。
(C) 出谷 啓
第4幕へ
RETURN
オペラ名曲辞典TOP