第4幕
 修道院の中庭。修道僧のメリトーネが、貧民たちに食料の施しをしている。我がちに食べ物を奪い合う貧民は、物惜しみをするメリトーネに、今度来たラファエル神父さんは、天使のように優しいのにと嫌味をいう。メリトーネは怒って、自分は8日間も我慢して、この仕事やっているのにとわめき散らす。一同を追い散らした後、やっと施しの仕事を終える。するとそこへカルロがやって来て、新任のラファエル神父に面会を求める。実はラファエルと名を変えて、修行に励んでいるのはアルヴァロで、彼は突然のカルロの出現に驚く。カルロは5年も探し続けたのだといい、2本の剣を差し出して決闘の続きを迫るが、アルヴァロは修道僧は剣を持たぬのだと、再三の罵詈雑言にも屈することなく、静かに怒りを静めて神に祈り続ける。しかしとうとうカルロのビンタに堪忍袋の緒が切れ、アルヴァロは決闘の申し込みを受けて、2人は裏山へ駆け出して行く。二重唱「アルヴァロ、隠れても無駄だ」がうたわれる。
 岩山の洞窟の前。レオノーラが庵から出て来て、有名なアリア「神よ、平和を与え給え」をうたう。今もアルヴァロへの愛情を切り捨てられない自分に、子による平和をお与えくださいと祈る。すると人の近づく気配を感じた彼女は、洞窟の庵に戻って扉を閉める。アルヴァロがカルロを仕留めた剣を持ってあらわれ、瀕死の男の最後の告白を聞いてやってくれと扉を叩く。出て来たレオノーラをみて、アルヴァロは驚き、彼女の兄を殺してしまったと告げる。驚いて駆けつけたレオノーラを、カルロは最後の力を振り絞って突き刺す。その場へ追って来たアルヴァロと修道院長に、レオノーラは兄は私の血をもって復讐したのですと、虫の息で告白して、アルヴァロは余りの運命の残酷さを呪う。院長はそういうアルヴァロをたしなめ、跪いて彼女のために祈るように諭す。レオノーラはアルヴァロに、先に天国へ行って待ってますといい残して、人々に見守られながら、静かに息を引き取って行く。フィナーレは三重唱、「呪ってはいけない」で幕は閉じられる。
(C) 出谷 啓
P.S.初演版では最後に絶望したアルヴァーロが自殺する。
RETURN
オペラ名曲辞典TOP