ドン・カルロ
Don Carlo
ジュゼッペ・ヴェルディ
Giuseppe Verdi
伊/1813-1901
初演1867年3月11日/パリ・オペラ座(5幕)/4幕伊語版は1884年ミラノ・スカラ座
台本:伊語/フランソワ・ジョセフ・メリ/Fransois Joseph Mery (1797-1865)
カミーユ・デュ・ロークル/Camille Du Locle (1832-1903)
演奏時間
5幕版フランス語版:第1幕26分/第2幕52分/第3幕35分/第4幕52分/第5幕22分/合計約3時間7分
4幕版イタリア語版:第1幕65分/第2幕35分/第3幕52分/第4幕22分/合計約2時間54分
楽器編成
3Fl(Picc),2Ob(E.H.),2Cl,3Fg(K-Fg)/4Hr,2Cor,2Tp,3Tb,Tuba/Tim,Trg,Cymb,G.C.,Hrp/Str
Banda:17番.舞台上:3Cl,2フリューゲルホルン,2Tp,4Hr,バスフリューゲルホルン,Bombardon(Es or F Tuba),3Tb,2Tuba
1番.舞台裏:右/2Hr,2Cor,2Tp,2Tb.
左/2Cor,2AltoHr,2Tb,1Baryton
Hrp,Harmonium,Tamburin,Castanette,Glocken(in Es und Fis)
5幕版は更に5Hr
概説:
 このオペラはシラーの劇詩を原作にするだけあって、上演時間は長いにもかかわらず、内容的には実に多彩で人間の心理が、多面的に描かれていて見事である。第1幕は遅れて来る客を待つため、序幕的に扱い、第2幕にバレエ、第3幕でスペクタクル、そして第4幕でクライマックスとして、アリアや重唱をふんだんに聴かせ、第5幕を短めに結末を示すという、典型的なフランス風のグランド・オペラのスタイルによっている。しかし内容的には、政治と宗教の対立(国王と宗教裁判長)、旧教と新教の対立(ロドリーゴ、皇太子、王妃対国王、宗教裁判長)という公的な葛藤と、王妃とカルロの宿命的な恋愛と、ロドリーゴと皇太子の友情、エボーリの嫉妬と国王の不倫という、私的な葛藤が絡み合い、あらゆる場面に激しい葛藤が演じられ、人間ドラマとしての深みを十分に、備えているのが特色ともいえるのである。
(C) 出谷 啓
最終更新:2009年3月27日

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