第2幕 ジプシーの野営地
静かな夜。ジプシーの野営地に駆け落ちをして来たキトリとバジルが甘くパ・ド・ドゥ(PDD)を踊る。(このキトリとバジルの美しいPDDはヌレエフ版ならではのものである。)起き出してきたジプシーが二人に迫るが、駆け落ちの事情を話し、キトリのイアリングを一つ渡すと、ジプシー達は二人をかくまい、逃がしてくれた。そして、追ってきたロレンツォ達を踊りでもてなす。ジプシーに変装したキトリとバジルも踊りに加わり、妖しいジプシーの舞が披露される。続いて悲恋を描いた人形劇が始まると、夢中で劇に見入っていたドン・キホーテがまた現実を見失い、剣を抜き人形劇の舞台に突っ込んでしまう。錯乱したまま、風車を悪霊と思い込み突撃するが、風車の羽につるし揚げられて、転落し気を失う。皆が去り一人傷つき倒れているドン・キホーテをサンチョが助け出す。しかし妄想に取り憑かれたままのドン・キホーテは再び暴れ出す。やっと悪霊を追い払い、茫然と佇むドン・キホーテ。あたりは静寂に満ちた森になる。ドルネシア姫が現れドン・キホーテにヴェールをかけると、続いてドリアードの女王とドリアード達が現れ美しく群舞する。キューピットも弓を片手に舞い、ドン・キホーテは幻想の光景に見とれ立ち尽くす。

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