第1幕 ロンドンのホワイトホール宮の大広間。
イングランド軍の司令官レスター伯爵はスコットランドの平定に成功し、軍の凱旋と栄誉をたたえる式典が始まろうとしている。列席した貴族達の祝福とは裏腹に、一人ノルフォーク公爵だけが、友人であるレスター伯爵の成功を妬んでいた。女王エリザベッタが入場し、レスター伯爵の勝利を讃え、勲章を授ける。そして女王としての気持ちと、レスター伯爵を愛する一人の女の気持ちを歌う。カヴァティーナ「喜びの心は国民の気持ちを良く理解できる」「私の愛しい人にまた会える…」。この式典の人々の中に、レスター伯爵と密かに結婚しているマティルデと弟のエンリコが変装して紛れ込んでいた。皆が退出した後、レスターとマティルデだけが残る。レスターはマティルデに人質の身でありながら来たのは軽率だと怒るが、マティルデは女王エリザベッタがレスターを愛しているという噂に嫉妬して来てしまったと答える。レスターはノルフォークがレスターの成功に嫉妬しているとは知らず、彼らの結婚の経緯と、マティルデが実はスコットランドの女王だということを告白してしまう。はたしてノルフォークはエリザベッタ女王にこのことを告げてしまう。怒った女王は貴族やスコットランドの人質、そしてレスターらを広間に呼び、レスターに王冠を見せて、自分と結婚する、つまり国王として迎えると宣言する。困惑するレスターはその申し出を断るが、その時広間にマティルデが引きずり出され、事の次第が皆の知るところとなる。レスターとマティルデは反逆罪で連行される。
つづく

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