第4幕 仮面
 エルナーニの邸宅の大広間。婚礼の祝宴が、華やかに行なわれている。エルナーニとエルヴィラは、テラスに出てようやく2人が結ばれたことを喜ぶ。すると遠くから、シルヴァの吹く角笛の音が聞こえる。青ざめた彼はエルヴィラに、持病の薬を取りに行かせたとき、仮面をつけたシルヴァが角笛を示しながら、命を自分に渡せと迫って来る。エルナーニは幼いときから不幸の中に育ち、ようやく恋の喜びを知ったからには、一夜の猶予をと懇願するが、シルヴァは約束は約束と許さず、短剣と毒薬のどちらかを選べと促す。そこへ戻って来たエルヴィラも、命乞いをするがすべては徒労に終わる。エルナーニは誓いを守って、短剣で胸を刺して後追い自殺を図ろうとする、エルヴィラを制止して、自分を愛し続けて生きてくれといい残して息が絶える。(幕)
(C) 出谷 啓

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