第4景/集落の見える野原
女は結局恋人には逢えず、森を抜け野原に出た。目の前の集落には、女の恋人の浮気相手の家が見える。女はその家を睨み付けると木立に進み歩き出し、ふと何かにつまずいた。それは女の恋人の死体だった。女は一瞬息を呑み「これも森の中での幻覚と同じであってほしい…」と固く目を瞑り再び開けてみるが、そこには胸から血を流した恋人が、横たわったままである。目の前のことが事実だと悟った女は恋人にそっとキスをし、最初は「何故死んでしまったの?」と取り乱し嘆き悲しみ、次には「何故あんな女と…」と恋人へ嫉妬の気持ちをぶつける。しかし最後には「それでも私は幸せだったわ…貴方をなくしてこれからどうしたらいいの?」と力なく呟く。やがて夜が明けると、女は「愛する人、朝がくるわ… Liebster, der Morgen kommt…」と歌い、その場を離れ再び歩き出した。(幕)

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