第1幕
 スペインのセビーリャの近郊にある、アルマヴィーヴァ伯爵の邸内、今日行なわれるフィガロとスザンナの結婚を前に、2人は伯爵から与えられた、新居の整備に余念がない。フィガロはメジャーを手にして、ベッドの置き場所を測ったりしているが、スザンナは伯爵の魂胆に気がついているので、そのことを心配そうにフィガロに告げる。2人が部屋から出て行くと、マルチェリーナとバルトロがやって来る。マルチェリーナはフィガロにぞっこんで、フィガロに金を貸しているが、借金を返せなければ、2人は結婚するという証文をとっている。
 彼らと入れ替わりに今度は、小姓のケルビーノが入って来る。彼はませた少年で、庭師のアントニオの娘バルバリーナのほか、スザンナや伯爵夫人にも想いを寄せている。昨日もバルバリーナと、デートをしているところを伯爵に見つかり、スザンナを通じて伯爵夫人にとりなして貰おうとやって来たのだ。ところが突然伯爵が入って来たので、ケルビーノは慌てて椅子の後ろに隠れる。伯爵は部屋に誰もいないと確かめると、スザンナを口説きにかかる。
 そこへフィガロが農夫たちを連れてあらわれ、初夜権を放棄した伯爵の徳を称えるので、魂胆のある伯爵は変な気持ちになってしまう。
伯爵はケルビーノを連隊付きの士官に任命し、直ちに任地へ出発せよと命令する。しょんぼりとしょ気込むケルビーノ、その彼を皮肉交じりに励ますフィガロは、有名なアリア「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」をうたって幕になる。
(c)出谷 啓
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