第3幕
 伯爵邸内の大広間、伯爵が歩き回っていると、夫人と示し合わせたスザンナがあらわれ、今夜庭内で密会することを約束する。公証人連れてマルチェリーナ、バルトロ、フィガロがやって来て、いよいよ裁判が始まる。ところがフィガロの腕の刺青が証拠になって、実はマルチェリーナが母親で、バルトロが父親だと判明する。これでは裁判どころではなくなり、親子3人が抱き合って喜ぶ。スザンナも経緯の説明を受けて、一同大喜びのうちに退場する。
 間もなく伯爵夫人とスザンナがあらわれ、夫人はスザンナに夫を誘い出す手紙を書かせる。有名な「手紙の二重唱」である。手紙はピンで止められ、そのピンが伯爵から返されたら、今夜のデートはオーケーということになる。
 いよいよフィガロとスザンナの結婚式で、マルチェリーナとバルトロにエスコートされた、フィガロとスザンナが登場する。伯爵夫妻から花冠を授けられるが、その儀式の最中にスザンナは、伯爵に例の誘いの手紙を渡す。伯爵はその手紙を受け取るが、ピンを指に刺してしまい、ピンを落としては、オーケーの返事が出来ない。困惑する伯爵、だが結婚式の華やいだ気分は最高潮に達するのであった。
(c)出谷 啓。
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