<第2幕>
第1場/牢獄
無実の罪で投獄された、フランチェスコ・フォスカリ総督の息子ヤコポは、牢獄の中でかつての死刑囚の亡霊を見て、死の恐怖に怯える。妻のルクレツィアが現れ、自分も一緒にクレタ島へ行くと言い、父親のフランチェスコも、息子への愛情は変わっていないと、ヤコポに苦しい胸の内を告白した。そこへ政敵であるロレダーノがやってきて「十人委員会で判決文を受け取り次第、クレタ島へ連行する」とヤコポに告げる。ロレダーノは、かつてフォスカリ一族に蔑にされていた自分の一族の恨みを晴らそうと、復讐心でいっぱいだった。
第2場/十人委員会の会議場
十人委員会のメンバーが集まる中、ヤコポは正式に流刑の判決を受けた。ヤコポは最後の望みと、妻ルクレツィア、2人の子供達と共に恩赦を懇願するが、聞き入れられることはなかった。総督である父フランチェスコにも、為す術はない。その場にいた議員のバルバリーゴが、唯一ヤコポに同情しロレダーノに言及したが、フォスカリ一族への復讐で頭がいっぱいなロレダーノは、無情にもクレタ島への出発を急がすのだった。
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