【あらすじ】
プロローグ
1部,地獄第1圏
ダンテは大詩人ヴァージルの亡霊によって地獄を案内されていた。二人は地獄の入口である第1圏(リンボ=未洗礼者の地獄)を抜け、地獄の第2圏(愛欲者の地獄)に進んでいく。辺りは強風が吹き荒れ、永遠の責苦に苛まれる罪人たちの呻き声が、闇を裂き、嵐のように渦巻いていた。ダンテは恐怖を覚え、思わず足を止める。しかしヴァージルはダンテに、「ここでは恐怖ではなく憐れみが要求されるのだ」と語りかける。
2部,断崖のそばの大穴
ヴァージルは、「ここは愛欲に囚われた魂の地獄である」と説明する。辺りをうかがうダンテは激しい嵐の中で、悲しく抱き合う二人に目をとめる。二人の名前はフランチェスカとパオロであった。二人は愛欲者が落ちると言われるこの地獄で、「幸せだった昔を思い出す。」という終わりのない悲しみに身を沈めていた。

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