<第2幕>
エジプトの宮殿、後宮
カーペットにくるまり、チューザレのもとに運ばれて来たクレオパトラは「あなたを崇めております」と歌い誘惑する。その美しさにすっかり心を奪われたチューザレは「花咲く心地よい草原で」とヴァイオリンのソロとかけ合いで、恋する喜びを歌う。そのころ囚われのコルネーリアは縄にひかれ「泣きなさい、悲しみに満ちた瞳よ」と絶望を歌う。一向になびかないコルネーリアに業を煮やしたトロメーオは「無情な女よ、お前の厳しさが」と激昂して立ち去る。屈辱に耐えかねたコルネーリアが再び死のうとすると、臣官ニレーノに導かれたセストが現れ「父の復讐を求めぬ者など息子ではない」と歌う。そして後宮でコルネーリアを待つトルメーオが丸腰である事を知ったセストは剣を携さえ「侮辱を受けた蛇は休みはしない!」と復讐に向かう。一方クレオパトラは「美しいヴィーナスよ、一時だけ」と高鳴る心を歌い、寝たふりをしてチューザレを待つ。やって来たチューザレがその寝姿に見とれていると、司令官クーリオがエジプト反乱を知らせる。戦いに向かうチューザレにクレオパトラは女王の正体を明かし、逃げるよう懇願するが、チューザレは「電光石火の攻撃で」と歌い、勇ましく出陣し、背後でエジプト軍が「チューザレを殺せ!」と合唱する。本当にチューザレを愛するようになっていたクレオパトラは「私に憐れみを感じて下さらないなら」と歌い、チューザレの生還を神に祈り泣き崩れる。 後宮ではトロメーオが尚もコルネーリアを我がものにしようと「美しい女神よ」と歌う。そこにアッキラが現れチューザレは海で溺死し、クレオパトラがローマ軍を後宮に向かわせていると知らせる。戦利品としてコルネーリアを望むアッキラをトロメーオは追放する。

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