時と場所:時は不明、トロゼーヌの町、黄泉の国
プロローグ シーン1~5 エリマントの森
森の住人たちが崇める女神ディアーヌと、愛の神アムールは、森の住人の支配権について激しい議論を戦わせていた。そこに主神ジュピテルが降臨し、年に一度だけは森に住む純潔の乙女達をアムールに任せるようディアーヌを説得する。ディアーヌはしぶしぶ承知するが、アテネのテゼ王の息子イポリートとパラスの末裔アリシだけは守りぬくと誓約する。
第1幕
シーン1~8 ディアーヌの神殿 
テゼ王は敵対するパラス家の息子達を排除し、アテネの王に君臨していた。そしてパラス家の生き残りの娘アリシに生涯純潔を貫く誓いを強制していた。一方、テゼ王の妻フェードルは王の前妻の息子イポリートに許されぬ想いを抱いていた。
テゼ王の命で、不本意ながらも、純潔の誓いをたてようとするアリシは「聖なる神殿よ」で、テゼ王の息子イポリートへの秘めた恋心を歌う。現れたイポリートはアリシを引き止め、二人はお互いの愛を告白しあい、女神ディアーヌに加護の祈りを捧げる。そこにテゼ王の妻フェードルが登場し、アリシがイポリートを愛するが故に、テゼ王との誓いを破ったのではないかと激怒し、二人の守り神ディアーヌの神殿を襲撃するように命じる。するとディアーナに仕える巫女たちの訴えで、雷鳴とともにディアーヌが降臨し、イポリートとアリシの加護を宣言する。なすすべのないフェードルがアリシへの激しい嫉妬に燃えていると、テゼ王が黄泉の国に降りたという知らせがはいる。フェードルに仕えるエノールは「王が亡くなったからには、義理の息子イポリートへの愛は許されます」と進言し、更には「アリシは愛だけだが、フェードル様は愛と王位を与えられるのです」焚きつける。フェードルは躊躇しながらもこれを受け入れ「イポリートの愛が得られなければ死も厭わない」と誓う。
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