時と場所:トロイ戦争の直後、紀元前1200年頃。クレタ島のシドン港。
あらすじ-はじめに
ギリシャ連合軍はトロイ軍を破り、連合軍に参加していたクレタのイドメネオも船で帰国の途にある。クレタでは王子イダマンテがイドメネオの留守を守っていた。イダマンテは幼い頃イドメネオが出征したので、父の顔を覚えていない。宮殿にはトロイア王プリアモスの娘のイリアが捕まっている。またギリシャ軍総大将アガメムノンの娘で実母とその情夫を殺した烈女エレットラも寄寓している。そしてイリアとエレットラ共に王子イダマンテを愛していた。
第1幕
クレータの宮殿。イリアは両親をギリシャ軍に殺されたのに、敵の王子イダマンテを愛する苦しみを歌う。そこに王子イダマンテが現れ、父王の凱旋を祝いトロイ人捕虜の解放を伝える。釈放されたトロイ人とクレタ人は互いに平和を喜ぶ。ところがそこに、イドメネオの船が難破したという報告が入る。イダマンテは急いで海岸に向かう。一方エレットラはイダマンテとイリアの仲を嫉妬し、復讐心に燃える。一方、岸にはイドメネオが一人漂着した。イドメネオは海神ネプチューンに、漂着後最初に出会った者を生贄に差し出すと約束した上で命を救ってもらった。しかしそこに現れたのは何と息子の王子イダマンテ。イダマンテは父の生還を喜び抱きつこうとするが、イドメネオは我が子を突き放し去ってゆく。残されたイダマンテは嘆き悲しむ。難破をかろうじてのがれた船が到着して、兵士達が次々に上陸、歓迎を受ける。人々は命を救ってくれた海神ネプチューンを讃えて歌い踊る。
つづく

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