第3幕 イフィジェニーの部屋
第1〜3場
部屋に戻ったイフィジェニーは残酷な生贄の儀式に強い嫌悪感を覚え、弟の面影を持つ若者を助けたいと切望する。そこにオレストとピュラードが連行され、最期の時を迎え抱擁しあう。二人の友情の深さに打たれたイフィジェニーは、同郷であることを告げ「何とかして一人の命だけでも救いたい」と歌う。するとオレストとピュラードはお互いに友の命乞いをし、ぶつかり合う心情が三重唱となる。苦渋の決断を迫られるイフィジェニーは「ギリシャに忠誠を誓った友がいるので、書状を届けなさい」とオレストに任務を委ねる。オレストは「ピュラードを見捨てることは出来ない!」と激しく訴えるが、イフィジェニーは急ぎ出立するよう言い残して立ち去る。
第4〜7場
ピュラードは自分の死でオレストを救える事を喜ぶが、オレストは「母親殺しの返り血がいまだ臭気を放つ我が身から、唯一の安息である死を奪いとるのか!」と訴える。そこにイフィジェニーが現れ、ピュラードを憐れみながらも生贄の儀式に連行するように命じる。するとオレストは「ピュラードが死ぬのなら、私も自害し血に飢えた神々に我が血を注ごう!」と訴える。仕方なくイフィジェニーはオレストを生贄にするよう祭司に命じると、ピュラードに手紙を託し「必ずエレクトラ姫に渡すように」と命じる。ピュラードはオレストの深い友情に感銘を受け「偉大なる魂の崇高さよ」と歌い、命に代えてオレストを救い出す決意をし、出立する。
第4幕へ
オペラ名曲辞典TOP