第3幕/銃兵隊居住地区
旧教徒の娘マルファは、自分を裏切った恋人アンドレイへの想いを未だ絶ち切れず「愛する彼と共に炎に身を投げたい…」と切ない胸の内を歌っていた。するとそれを聴いていた信心深い旧教徒の老婆スサンナに「神に身を捧げる身でありながら何と罪深い!」とたしなめられ、マルファはやって来た旧教徒指導者のドシフェイに慰められながら退場した。皆が立ち去った後、銃兵隊長イヴァンを陥れようと企てる、貴族のシャクロヴィートゥイがやって来た。彼は祖国の将来を思い嘆くと、遠くから聴こえて来る酔っ払った銃兵たちの歌声を忌々しく遮るように「浮かれていられるのも今のうちだぞ!」と吐き捨て去って行った。
銃兵たちが陽気に歌っている所へ代書屋が駈け込んで来て「ピョートル帝の衛兵たちが、銃兵隊居住地区への攻撃を始めた!」と告げる。銃兵たちは慌てて銃兵隊長のイヴァンの所へ行き応戦を訴えるが、イヴァンは「まだその時ではない」とこれを拒み、銃兵やその妻たちは悲しみの合唱で神に祈りを捧げた。

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