【あらすじ】
第1幕 カストレの大農場
老羊飼いのバルダッサーレが農場主の白痴の次男に、おとぎ話をしている。そこに農場の女主人ローザが駆け込んで来て、「長男のフェデリコが素性の知れないアルルの女に恋をして、結婚すると言いだしている。」とあわてている。ローザはアルルの女の素性がわからないので、自分の兄で舟乗りのマルコに相談したが心配でたまらない。そこにフェデリコの幼馴染のヴィヴェッタが農場の手伝いにやって来る。フェデリコに秘かに想いを寄せるヴィヴェッタは、ローズからその話を聞いてショックを受ける。そのような中、すっかりアルルの女にのぼせあがっている当のフェデリコが登場する。フェデリコは一同に向かい、愛するアルルの女がいかに素晴らしいかを熱く語る。するとアルルの女を調べるように頼まれていたローザの兄マルコが「女の素性に問題なし。」と嬉しい知らせを持って帰ってくる。安心する母ローザをはじめ、一同は大喜びで婚礼の準備だと騒ぎだし、祝宴が始まる。一人片隅で届かぬ片思いを胸に落胆するヴィヴェッタを、老羊飼いのバルダッサーレは優しく気づかう。しかし人々の喜びもつかの間、アルルの女のかつての恋人メティフィオが、女を取られたと乗り込んで来る。メティフィオは、アルルの女から貰った恋文二通を証拠としてローザ達に見せる。驚いたローザとバルダッサーレはとりあえず手紙を預かり、メティフィオを帰す。陽気に仲間達と祝杯を挙げている息子のフェデリコに、その恋文を見せると、アルルの女を信じて一途に恋してしまっていたフェデリコは、絶望のあまり泣き崩れてしまう。
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