第4幕/インド洋にある島
仲間たちの手により無事救い出されたセリカは、母国の女王として戴冠するために、バラモン教大祭司の元誓いの儀式を行う。するとそこへ一人の祭司が現れ「生き残った白人たちは皆殺しにしたはずだったが、まだ一人残っていた」と言ってヴァスコを連れて来た。ドン・ペドロ等男たちは全て処刑され、女たちは毒の香を放つマンスニールの木の下に連れていかれたと言う。この国の掟には「他国の者の侵入を許さず全て処刑する」とあるので、ヴァスコもすぐに殺されそうになるが、ヴァスコを愛するセリカは「この者は私の夫となる者です!彼は私の命の恩人です!」と必死でヴァスコを守ろうとした。セリカに証人になるよう頼まれたネルスコは、セリカを愛する気持ちはあるものの、結局は彼女のヴァスコに対する愛の深さに打たれ、それが事実だと証言した。皆の祝福の中、早速2人の結婚式が執り行われたが、セリカは2人きりになると「貴方の船は無事です。どうぞ新航路発見の夢を果たすためにここから逃げてください」とヴァスコに言った。その愛の深さに感動したヴァスコは「過去のことは全て忘れ、この地に残りセリカを愛していこう」と決心する。お互いへの愛を歌い幸せに浸る2人だったが、ヴァスコは死にゆく白人女たちの声と共に、微かにイネスの声が聞こえたような気がして耳を疑った。

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