【あらすじ】
第1幕
18世紀中頃クレモナ近郊
若いハンガリーの士官フラカッソは、クレモナの資産家カッサンドロの館に寄宿している。士官フラカッソとカッサンドロの妹のジャチンタは、恋をしていた。またジャチンタの小間使いニネッタと、士官フラカッソの部下のシモーネ軍曹もまた恋仲だ。序曲につづく第1曲で、この2組の恋人たちは「恋をすることは素敵なこと!でも、自由は最高!」と合唱する。シモーネは「妻をもらうのは面倒だ。金もかかるし自由はない」と、少々投げやりだ。ジャチンタは「夫は欲しいけれど、面倒はいや。頭がよくて木のように立ってる人がいいわ!」と歌う。この館の主であるカッサンドロが現れる。彼は「女嫌いで、結婚なんてまっぴらごめん」と歌うが、士官フラカッソの姉ロジーナが訪問すると聞き、いやな予感がする。一方、士官のフラカッソは「たとえ不実な恩知らずの女でも、その瞳に見つめられたときは助けない訳にはいかない」と男の弱さを歌う。
このオペラの主役であるロジーナが登場する。彼女は、自分の女としての魅力を十分知っている。そしておばかな女《みてくれのばか娘》を演じることにより、2組の恋人達を結婚させることが使命だ。そこに当主カッサンドロの弟のポリドーロがやってくる。ポリドーロもまた既にいい歳だが、兄の許可が下りないので、まだ恋人もいない。ロジーナを一目見たポリドーロは、その魅力に参り、結婚を望む。ロジーナは今度はカッサンドロに近づく。カッサンドロもまた、ロジーナの魅力に引かれる。ロジーナから愛の証として高価な指輪を求められるが、「女は宝石とお金を渡すと、すぐ冷えておしまいだ」と必死にこらえる。
とりあえずロジーナの「2人の兄弟を夢中にさせる」という策略は成功した。恋の駆け引きには長じるロジーナであったが、本心は真の愛により結ばれたいと望み、長大なアリア「あなたがさすらい行くところで」を歌う。
弟のポリドーロは、ロジーナに愛の証として手紙を求められるが、字の書けないポリドーロは、小間使いのニネッタの助けを借りて書き上げる。しかしニネッタは策を巡らせ、兄のカッサンドロからの手紙としていたのだった。その手紙をロジーナに渡そうとしたポリドーロは、皆から手厳しく叱られる。そこに兄のカッサンドロが現れる。ロジーナはカッサンドロへの手紙だと言うと、気分を良くしたカッサンドロは、思わず大事な指輪をロジーナに渡してしまう。でも皆がすぐその場を離れようとするのでちょと不安になり、指輪を見張るために全員を食事に招待する。
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