第２幕
皆が食事をしている最中、恋人であるシモーネ軍曹と小間使いニネッタが、結婚生活について言い争いをしている。ニネッタにとって理想の夫とは、小食で酒も飲まず、妻の言うなりになり、自由にさせてくれる男だ。そこへジャチンタが現れシモーネに、兄のカッサンドロと、彼女の恋人でもある士官フラカッソとの言い争いの仲裁を願う。しかしシモーネは、時には女性も棒を振り上げ、腕力を使う事も大事だと取り合わない。一方、ロジーナにぞっこんの弟ポリドーロは、妹のジャチンタに、ロジーナとの結婚の話をするが、ジャチンタは真に受けない。ジャチンタは「もし私が結婚するなら、夫はベルトで繋いで放さない。尻に敷くわ！」と歌う。《みてくれのばか娘》ことロジーナは、カッサンドロとポリドーロ兄弟を手玉に取り、うまく事を進めているが、一人になると乙女心を覗かせ、アリア「キューピットたちよ、ここに隠れている」と、切ない心を歌う。ついに酔っぱらいのカッサンドロとポリドーロが、ロジーナをめぐり兄弟喧嘩になる。そして眠り込んだカッサンドロに、ロジーナは例の指輪をそっと戻す。ロジーナは、恋人は一人じゃ満足できないと歌う。酔いからさめたカッサンドロは、士官フラカッソと喧嘩のつづきをする。カッサンドロは、フラカッソの姉のロジーナに指輪をだまし取られたと息巻くが、その指輪はいつの間にか自分の指に戻っている。フラカッソは怒り、決闘を申し込むが、それを受ける気力は、もはやカッサンドロにはない。フラカッソは、今晩ジャチンタとニネッタを連れて、ここから逃れようとシモーネに打ち明ける。一方、弟ポリドーロは、なおもロジーナとハンガリーに行く事を夢見て、兄カッサンドロに財産分割を申し出る。そのときフラカッソが現れ、ジャチンタとニネッタが有り金を全部持ち出して逃亡したと告げる。慌てる兄弟。カッサンドロは彼女達をみつけた者に、結婚を許すと約束してしまう。
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