時と場所 1647年、ポルティチ及びナポリ
あらすじ
第1幕 ナポリ
1647年、スペイン統治下のナポリでは、スペイン王女エルヴィールとナポリの副王の息子アルフォンスとの婚礼に沸いている。しかし当のアルフォンスは若き日の過ちを思い出しては、自責の念に苛まれている。結婚のお祝いにやって来た友人のロレンツォの顔を見ると、耐えかねたアルフォンスは「私はかつて欲情に駆られ、フェネッラと言う口のきけない娘を弄び、捨てたことがある。」と告白する。娘はその後、アルフォンスの父である副王の命令で投獄されたが、脱走していたのだった。一方婚礼の行列とともに登場したエルヴィール王女は結婚の喜びを歌い、賑やかにスペイン舞踊が披露される。するとそこにフェネッラという口のきけない娘が逃げ込んで来る。エルヴィールが事情を聞くと、フェネッラは身ぶり手ぶりで「男に弄ばれ、捨てられえた挙句、訳のわからないまま投獄され、やっと逃げ出して来たのです」と訴える。娘の不幸に同情したエルヴィールはフェネッラを守ると約束し、教会に入って行く。いよいよ婚礼の儀が始まり、現れたアルフォンスを見たフェネッラは驚愕する。その様子に気づいたエルヴィールが「あなたを弄んだのは誰?」と尋ねると、フェネッラはアルフォンスを指差す。婚礼に列席していた人々は騒然となり、フェネッラはやっとの思いで逃げ出して行く。
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