第3幕 森の中の隠れ屋
バラモン教の僧侶ニラカンタの娘ラクメの看病で、すっかり意識を取り戻したイギリスの陸軍士官ジェラルドは、この場所でラクメと共に暮らすことを決心した。するとどこからか恋人達のデュエットが聴こえてきた。彼らが永遠の愛を得られるという、聖なる水を汲みに行っていると知ると、ラクメもこの水を汲みに出かけた。ラクメがいなくなった小屋へ、ジェラルドと同じ陸軍士官のフレデリックが現れた。彼はジェラルドに軍への復帰を訴え、婚約者であるエレンへの責任も問い去って行った。小屋へ戻ったラクメは、ジェラルドの目を見た瞬間、彼の心の動揺を知った。そして遠くに聞こえるイギリス軍兵士達の合唱に、ジェラルドが母国を想い苦しんでいることに気付いた。全ての終わりを悟ったラクメは、自ら毒草ダチュラを口に含み、ジェラルドと聖水を飲み交わすと永遠の愛を誓った。そこへラクメの父ニラカンタが入ってきて、ジェラルドを殺そうとした。ラクメは毒の回った体でフラフラと止めに入り、この人は自分と聖水を飲み交わした仲だと庇った。そして「神への償いは自分の死をもって果たされる」と言い息絶えた。(幕)
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