第3幕
第1場/壊された礼拝堂
 礼拝堂は破壊された。辛うじて残った建物の中で、修道女たちは密かに最後の集会を開くことにする。そこには神父の姿もあった。副修道院長のマリーが皆に向かい「祖国と教会のために殉教して、神に命を捧げるべきなのでは..」と言うので、一同は一瞬息を呑むが、彼女は一人でも反対者がいれば無効にしようと提案し、皆は一人ずつ神父の前を通り過ぎながら、自分の意見を彼にのみに告げることにする。神父から結果を聞いたマリーが「反対者一名」と発表すると、突然若い修道女のコンスタンスが前に出て来て「その一人は私なのですが、考えを変え私も殉教を誓願致します!」と叫んだ。その後修道女たちは誓いを立てるために神父の前に並んだが、いつの間にかブランシュは、その場から逃げ出していた。
<幕前劇>
 一人の将校が修道女たちの許を訪れ「聖職者との接触禁止、及び宗教活動の停止を誓約せよ!」と申し渡し去っていった。彼女たちは一人ずつ順番に、誓約書を書きに事務所へいかなければならないという。修道院長のリドワンヌは、隣にいた修道女のジェラルドに「今日密かに行うはずだったミサを中止すると、神父様に伝えてください」と頼む。その後副修道院長のマリーは、一人どこかへ出掛けていった。
第2場/元フォルス侯爵邸の書斎
 ブランシュはフォルス侯爵邸に戻っていた。しかし元の屋敷の面影はなく、屋敷の主人も別の人物だ。ブランシュの父であるフォルス侯爵は革命軍により処刑され、ブランシュは隠れるように使用人としてこの屋敷に住んでいた。そこへ副修道院長のマリーがやってきて、ブランシュに戻って来るよう告げる。ブランシュは死への恐怖を訴え、神は恐れることを罪とするのか?とマリーを問い質す。そして「自分を守ってくれる父がいない今、恐怖に怯え続ける私は軽蔑されるべき人間なのです!」と嘆く。マリーはブランシュを哀れに思いながらも「天にこそ救いはあります。最大の不幸は人から軽蔑されることよりも、自分を軽蔑することですよ」と言い、一晩近くの知人の家で待つので、考え直して出向くようにと知人の住所を知らせた。ブランシュが「いきません」と答えたところに、「ブランシュ!仕事だ!」と主人の怒鳴る声が響いた。
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