第2幕
第1場/牢獄内の庭
 クラウディオは妹イザベラからの良い知らせを待っていたが、やって来たイザベラが「私の貞操を護るために刑を受けてほしい」と法廷での出来事を話すので、クラウディオは総督フリードリッヒの卑劣さに怒りを露わにする。一度は妹のために死を覚悟するクラウディオだったが、やはり命が惜しくなりイザベラに条件を呑むよう頼むと、イザベラは怒り看守のポンティオにクラウディオを牢に入れるよう言った。給仕のポンティオは追放の刑を受けた後看守に、ドレッラはイザベラの侍女となっていた。イザベラは総督とマリアナ宛に「仮装してカーニバルに参加して」という内容の手紙を書きドレッラに託すと、やってきたルツィオにも法廷での一件を話す。かつて自分も口説かれたことのあるドレッラは、ルツィオがいかに女にだらしない男かイザベラに忠告したが、「絶対に貴女を護ります」と言うルツィオの言葉にイザベラも悪い気はせず素直に喜んだ。そしてポンティオに「兄に出た令状は真っ先に私に見せて」と彼にお金を握らせた。
第2場/フリードリッヒの部屋
 フリードリッヒはイザベラに逢うために、彼女からの手紙に書いてある通り仮装してカーニバルに出掛けることにした。勿論禁止したカーニバルに参加することは違法だが、彼は「例え罪人になろうとも構わないさ!」と歌い部屋を出る。法は守らねばならぬと、彼はイザベラとの約束もお構いなしにクラウディオに死刑の令状を書いていた。昔は女たらしのルツィオに夢中だったドレッラは、今では衛兵隊長のブリゲラに好意を寄せているので、ブリゲラからカーニバルに誘われると大喜びで仮装して出掛けて行った。
第3場/街の大通り
 皆がカーニバルで盛り上がっている所へ衛兵隊長のブリゲラがやって来て「カーニバルは禁止されている!」と人々を追っ払う。しかし自分はこっそり仮装をしてドレッラの許へと急ぐ。イザベラが幼馴染のマリアナと同じ仮装で現れ「今夜ご主人の総督と逢えるわよ」とマリアナに言い立ち去ると、仮装したフリードリッヒが現れマリアナをイザベラと思い二人で近くの館へ入って行く。それを見たルツィオは、フリードリッヒがイザベラを連れていると勘違いし後を追うが、ドレッラがやって来て「この女たらし!」とルツィオを引き止める。困ったルツィオは彼女にキスをして愛を囁き、何とか隙を見て逃げ出したが、それを見たイザベラはルツィオが裏切ったとショックを受ける。ブリゲラもドレッラに腹を立て、やって来たポンティオに館の見張りを押し付けると、逃げるドレッラを追う。ポンティオから受け取った令状に死刑執行の文字があったので、イザベラは怒り人々を集めると、一緒に現れたルツィオにもフリードリッヒへの復讐を頼む。しかしフリードリッヒに付いて行ったイザベラの言うことをルツィオは信じない。そこへポンティオが館から出て来た男女を捕えやって来た。仮面を外すとそれは総督のフリードリッヒだったので、皆は驚く。イザベラがこれまでの彼の悪事を皆に話すと、フリードリッヒは「死刑にでも何でもしろ!」と居直るが、人々は「恋愛禁制は廃止にしよう!」と言い彼を赦す。クラウディオも牢から出され、イザベラはルツィオと、ドレッラはブリゲラと和解。ちょうど国王が帰国したとの知らせが入り、皆は再びカーニバルで盛り上がり国王を迎える。(幕)


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