<間奏曲>
 無声の映像でルルの逮捕、裁判、投獄...等その後のルルの様子が次々と映される。(これから始まる第2場以降の内容も含まれる)
第2場/シェーン博士の家(殺害のあった部屋)
 1年後、ルルを崇拝している同性愛者のゲシュヴィッツ伯爵令嬢は、何とかルルを救おうと、殺害されたシェーン博士の息子アルヴァと共に脱獄の計画を立てていた。まずゲシュヴィッツが看護婦となり、病院で亡くなったコレラ患者の下着を着け病気に感染。その後ルルの牢獄に行き、その下着をルルの物と交換し、ルルもコレラに罹り、2人共同じ隔離病棟に入院する。後は2人が入れ替わってルルを逃がそうというものだった。計画は上手く進み、ゲシュヴィッツは先に退院し、ルル逃亡の手筈を整えた。計画には同じくルルに想いを寄せていた力業師のロドリーゴも加わっていたが、彼は偵察のために3ヶ月間同じ病院に入院させられすっかり太ってしまい、力業師としての仕事はもう出来ないとぼやいていた。ルルの脱獄のために莫大な私財をなげうっているゲシュヴィッツに、アルヴァはお金の援助を申し出るが彼女はこれを断り、ルルの父親を名乗るシゴルヒに付き添われて病院へと向かった。ルルが逃げるための旅券や荷物の手配はシゴルヒがしていた。2人が部屋から出ていくと、更生施設から逃げ出してきたギムナジウムの学生がやって来て、ルルを救ういい案があると言うので、アルヴァとロドリーゴは「ルルはコレラに罹って死んだよ。」と学生を追い返した。
 時計を忘れたと病院に戻ったゲシュヴィッツは、まんまとルルと入れ替わり、ルルはシゴルヒに抱えられるようにして戻って来た。今にも死にそうな顔をして足元もおぼつかないルルの姿を見て、力業師のロドリーゴは「こんな女じゃ結婚してバンバン働かせることも出来やしない!この先の生活費を出さないのなら警察に訴えるからな!」と出ていく。シゴルヒも旅券を買うために出ていきアルヴァと2人きりになると、ルルはいきなり元気になり「さっきのはロドリーゴを追い払うための芝居よ。」と笑って見せた。そして2人は国境を越えて自由に暮らそうと誓い合い、激しくキスをし抱き合った。しかしルルはアルヴァと共に長椅子に横たわると「この椅子の上でお父さんは亡くなったのよね..」と言い出すので、アルヴァは顔を顰め「よしてくれ!」とルルの言葉を遮った。
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