終幕/人形芝居小屋
ドン・キホーテは自分の剣を振り回すと、次々と人形の兵士たちに斬りつけていった。そして人形のドン・ガイフェロスと妻メリセンドラに向かい「安心くだされ。追手は全て倒しましたぞ。我こそはドン・キホーテなり!」と得意気に叫んだ。唖然となる観客たちに気付いたドン・キホーテは、壊れた人形たちを見てふと正気に戻ったが、「これが正しい騎士道というものです。」とかつての勇者たちの名を連ね始めた。
かくして人形芝居小屋の観客たちは呆れて帰り、取り残されたペドロ親方は、ボロボロになった人形たちを見つめガックリと肩を落とした。その横でドン・キホーテは、満足気な顔を見せるのだった。(幕)
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