第2幕 公演後の舞台
公演の終わった舞台では道具方や掃除婦が、歌手マルティの圧倒的な才能とそれに熱狂する聴衆について話をしている。人気のない舞台に、恋人同士のクリスティーナとプルス家の息子ヤネクがやって来て、仲睦まじい様子である。そこにプルスとマルティが現れ、続いてグレゴル、ヴィーテクもやって来る。グレゴルは恋するマルティに宝石箱を忍ばせた花束を渡すが、マルティは宝石箱を抜き取って「無駄使いは駄目」とつっ返し、小遣いまで渡す。一方ヴィーテクは、マルティをかつての名歌手ストラウダのように素晴らしと褒める。しかしマルティはストラウダを始め往年の名歌手達を次々とこき下ろし、その勢いで舞台の片隅にいる恋人同士のクリスティーナとヤネクに「愛など価値のないことだ!」と言い捨てる。その時頭が混乱した老伯爵ハウクが飛び込んで来て、マルティは50年も前に恋をしたジプシー女、エウヘニア・モンテスに瓜二つだと言う。意外にもマルティはハウクにキスをし、上機嫌のハウクが去って行くと、プルスに話があるからと言って皆を退席させる。
二人になったプルスは、書類棚で遺言書と一緒にE.Mと書かれた手紙と封印書を見つけたと話す。そして戸籍を調べたところ、フェルナンド・グレゴルの正式名はフェルナンド・マクロプロスで、母親はギリシャのクレタ島出身のエリナ・マクロプロスだと告げる。更にプルスはE.Mはエリアン・マック・グレゴルではなくエリナ・マクロプロスではないかと迫り、マクロプロスという人物が現れない限り、ロウコフ領はやはりプルス家のものだと主張する。マルティは封印書と聞いて、売って欲しいと頼むがプルスは、はぐらかして出て行く。代わってグレゴルが現れる。そしてマルティに激しい恋心を告白するが、マルティは相手にせず眠ってしまう。仕方なくグレゴルが去ると今度はヤネクが入ってくる。目を覚ましたマルティは、ヤクネも今や自分の虜であると知り、父親のプルスから封印書を盗むようそそのかす。ヤネクが躊躇しながらも承諾したその時、見張っていたプルスが現れヤクネを追い払う。マルティは、プルスにも色目を使い、今夜封印書を持って来るように頼みこみ、ついに承諾させる。
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