<第3幕>
廃墟となった領主の館の見える湖畔
前奏曲でオーケストラがウクライナ地方の情景を描き出す。空には五月の月が昇り村を照らしている。レコフは物思いに耽り「煌く湖の何と美しい!おやすみ愛しい人」とハンナへの愛を歌う。レコフは対岸に朽ちて建つ領主の館の窓が開いて、老女の顔を見たような気がした。それは昔、湖で溺れてルサールカになった領事の娘パンノチカだった。彼女はレフコに歌を続けるように懇願した。レフコは夢を見ているのだと思い、恐怖は感じなかった。すると仲間のルサールカも現れ月光を浴びながら輪になってホロヴォードを踊り出す。そしてレフコに、ルサールカに化けて水の精霊の中に紛れこんでいる魔女を見つけ出して欲しいと頼むと、雌鶏と雛鳥を殺して盗まなくてはいけないというカラスゲームを始めた。最初の二人のルサールカはとてもそんな残酷なことは出来なかった。しかし三番目のルサールカであるマチェンカはゲームに勝ち本当の姿を現してしまう。レフコはマチェンカを指差し、ルサールカ達はついに魔女マチェンカを湖の底に引きずり込み溺れさせる。やっと平穏の時が訪れたパンノチカは永遠にこの世を去る前に、レフコへの感謝を込めて父親(今は亡き領主)からの手紙を渡す。日が昇り、朝が来る。手紙を持ったレフコは「あれは夢ではなかった」と歌う。そこに村長や書記官や警官がやって来て、レフコを捕まえて縛りあげる。しかし村長は「レフコとハンナを結婚させるように!」と言う領主からの手紙を受け取り、驚いて息子を解放するように命じる。レコフとハンナは抱き合い「レフコ、レフコ、愛する人」と歌う。全員が二人を祝福して幕となる。

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