<第2幕>
第1場 マゼッパの地下牢
ロシアのピョトル大帝は、密告には信憑性がないとして、コチュベイをマゼッパに引き渡してしまう。コチュベイは鎖に繋がれ、マゼッパの部下オルリクによる厳しい尋問を受け、「お前なのか無慈悲な奴!」と無念を歌う。コチュベイは激しい拷問の末、とうとう虚偽の供述書に同意してしまう。
第2場 マゼッパの城、同じ夜
一方マゼッパはオルリクの報告を受け、コチュベイへの更なる拷問を命じるが、マリアへの愛は偽らざるものだと歌い苦悩する。そこにマリアが現れ、遠征で留守がちなマゼッパに「すべてを犠牲にして嫁いだことは無意味だったのですか?」と不安な気持ちを訴える。やむなくマゼッパはウクライナ独立を計画している事を打ち明け、国王となる野望を語る。そして美しいマリアには王妃の冠が似合うだろうと抱きしめる。マリアは喜び「愛する貴方のお傍にいれば何も怖くない!」と歌い、愛の二重唱となる。マゼッパが部屋を出て行くと、母親のリュボフィが必死の形相で駆け込んでくる。リュボフィは父コチュベイの命を救えるのはマリアだけだと訴える。最初は母親の話を理解できないマリアも真実を知り、あまりの恐怖に気を失う。リュボフィはマリアを揺り起こし二人は処刑場に急ぐ。
第3場 処刑場
処刑場には民衆が集まり、マゼッパの独裁ぶりを恐れ、処刑されるコチュベイの悲運を嘆いている。そこに酔っ払いのコサック人が酒樽を抱えて現れ陽気に歌うがすぐに連行される。すると華々しいファンファーレが鳴り、マゼッパとオルリクが登場する。続いて白衣を纏ったコチュベイと同志イスクラが縄で繋がれ引っ立てられて来る。コチュベイは跪き、しっかりと前を見据え「最後の祈り」を歌い上げ、イスクラもこれに和す。見守る民衆の祈りも神に届かず、ついに首斬り役人の斧が振り下ろされ、二人の血が辺りを赤く染める。その時リュボフィとマリアが到着する。惨劇を目の当たりにしたリュボフィはそのまま倒れ込み、マリアは異様な笑い声を立てながら意識を失う。その凄絶さに民衆も泣き崩れる。
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