第4幕 紅海に続く砂漠
紅海の海岸線近く、イスラエルの民衆はモゼに導かれて、約束の地へと旅をしている。アナーイデを追って来たアメーノフィは「ともに王座につくのでなければ、王位継承を放棄する」と告げ愛を誓う。アナーイデは引き裂かれる思いで母マリーアの腕に飛び込み、モゼとともに行くことを決断する。裏切られたアメーノフィは激怒しファラオの残忍な意向に従いイスラエル人を皆殺しにするようエジプト軍に命令する。紅海の岸辺にたどりついたモゼは海を見つめ「天の玉座より」と歌い民衆とともにヤハエの神に祈りを捧げる。すると民衆をつないでいた鋼の鎖はもろくもほどけてしまう。ファラオ率いるエジプト軍が迫り、追い詰められたモゼとイスラエルの民衆は紅海を歩いて渡りだす。追って来たファラオ、アメーノフィそしてエジプト軍も続いて海に入るが、モゼの一行が対岸に渡り切るや巨大な嵐が湧きおこり、荒れ狂う波にエジプト人達は呑み込まれ一人残らず海の藻屑と消えてしまう。モゼの奇跡がイスラエルの民衆を救い、紅海はまた何事もなかったかのように静まり、美しい海原が広がるばかりであった。〈幕〉
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