<第2幕>お菓子の国
10.魔法の城
クララと王子はお菓子の国の魔法の城に辿り着く。(ハープのアルペッジョにヴァイオリンとフルートの明るい主題がのり、木管楽器の上昇音型と共に展開をみせる。)
11.クララと王子の登場
お菓子の国の女王こんぺい糖の精がクララと王子を出迎えると、王子はクララを命の恩人であると紹介する。ファンファーレが鳴り響き、クララの歓迎パーティーが始まる。(チェレスタとハープ、クラリネットとファゴットの重奏が交互に現れ、その後ねずみとの戦いの主題が再現され、ファンファーレへと続く。)
12.世界各国のお菓子の精の踊り ディヴェルティスマン<仏>(<英>エンターテイメント)
a.スペインの踊り<チョコレート>
軽快なトランペットの主旋律に合わせ、ボレロ(スペイン舞踏)を踊る。
b.アラビアの踊り<コーヒー>
元々はグルジア地方の子守歌だったという落ち着いた静かな曲に合わせ、東洋風にゆったりと踊る。(原住民の太鼓の音の感じをを弱音器を付けたチェロとヴィオラが出し、ホルン、クラリネットから弱音器を付けたヴァイオリンの主旋律へと繋いでいく。)
c.中国の踊り<お茶>
ファゴットとコントラバスのリズムにのってコミカルに踊る。フルートの旋律が特徴的。弦楽器のピッツィカートが中国的な雰囲気を出している。
d.ロシアの踊り(トレパック)
第1ヴァイオリンの力強い旋律に合わせ、ロシアのコサックダンス(トレパック)を踊る。曲の最後はテンポアップし、大迫力で一気に終わる。
e.フランスの踊り(あし笛の踊り)
3本のフルートの美しい旋律に合わせ、アーモンド菓子の羊飼いの娘が、あし笛を吹きながら踊る。
f.道化師の踊り
タンブリンの軽やかなリズムにのった、ヴァイオリンの明るい旋律に合わせ、靴に住む老夫婦が大勢の子供達と踊る。道化師の踊る様子を描く。
13.花のワルツ
全曲の中でも特に有名な曲。木管の序奏、ハープのカデンツァ、ホルンの華やかな主題へと続き、クラリネットが受けてフォルテになるとワルツの主部へと入る。優雅で魅力的な旋律が流れる中、こんぺい糖の精の侍女達24名が華麗に踊る。
14.グラン・パ・ド・ドゥ
最大の見せ場。4つの音楽で構成される。
a.アダージョ
細やかなハープにチェロの主題がのり、クラリネット、トロンボーンと続くと、後半は最初の主題をオケで広げ盛り上げ、木管と弦のトリルとハープが最期を飾る。こんぺい糖の精(クララとする場合もある)と王子が華やかに踊る。
b.ヴァリアシオン1 タランテラ(南イタリアの舞踊)
フルートの旋律の中、王子が男性的に力強く踊る。
c.ヴァリアシオン2 こんぺい糖の精の踊り
こんぺい糖の可愛らしさを表現した有名な曲。弦のピッツィカートにチェレスタの主旋律がのり、バス・クラリネットがそれに掛け合う。より夢の中の世界を思わせる。
d.コーダ
グラン・パ・ド・ドゥの終曲にふさわしい優雅で華やかな旋律で、王子とこんぺい糖の精が見せ場たっぷりに踊る。
15.終幕のワルツとアポテオーズ(<仏>夢幻劇の終幕)
楽しげな明るい主題から弦のピッツィカートと木管楽器、チェレスタとハープの曲へと続き、再び主題へと移る。そして第2幕始めに流れた明るい曲が再び出てきて終幕となる。全員が賑やかに踊り、王冠をかぶったクララが皆から祝福を受け幕となる。(クララが夢から醒めて、自宅のクリスマスツリーの前で幕となることもある。)
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