第2幕
副官を解任されて悄然としているカッシオに、イヤーゴは、復職したいのならデズデモーナにとりなして貰うのが一番と囁きかける。そしてその気になって立ち去る彼を見て、イヤーゴは自らの悪への信条「クレード」をうたう。イヤーゴは、カッシオが城内の庭園でデズデモーナに哀願しているところを、やって来たオテロに見せる。そして、言葉巧みに2人の関係に疑惑を持たせるよう、奥歯に物の挟まったような言い方をする。庭ではデスデモーナが島の女子供たちから贈り物を受け取った後、オテロの方に近付いて来る。そしてカッシオの赦免を申し出るが、嫉妬に駆られたオテロは、不機嫌に頭痛がすると言って彼女が差し出したハンケチすら床に叩き落とす。イヤーゴの妻で侍女のエミーリアがそれを拾い上げるが、夫のイヤーゴがそれをひったくる。デスデモーナは甘えるように夫に許しを求め、オテロも彼女の汚れない顔をみて心を悩ます。4人が4様の心情を吐露した四重唱が展開される。そして2人の仲を疑いながら、オテロは「さらば清き思い出よ、栄光もすべて去ってしまった」とモノローグを歌う。さらにイヤーゴは、嫉妬に狂うばかりのオテロに対し、カッシオがデスデモーナのハンケチを持っていると言う。ついにオテロは我を忘れ、死神に復讐を誓う壮絶な二重唱に発展する。
(C) 出谷 啓
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