【あらすじ】
時と所:15世紀末・ヴェネツィア
第1幕
第1場/宮殿の大広間
 ヴェネツィアのサン・マルコ広場に臨む宮殿の広間で、ヴェネツィア総督はトルコ軍からキプロス島を護り凱旋した将軍オテロの労をねぎらうと、褒美として彼の望みであるヴェネツィアの市民権を与える。総督の息子ロドリーゴは、オテロの恋人デズデモーナに想いを寄せているため「例えオテロが黒人であっても、彼の出世が貴族の娘であるデズデモーナとの結婚も可能にしてしまうのではないか…」と内心穏やかではなかった。そこで皆が退出した後、デズデモーナの父エルミーロに探りを入れてみたが、エルミーロは「最近娘は元気がないのだ」とだけ言うとすぐにその場を去ってしまった。そこへロドリーゴ派の一員であるヤーゴがやって来て「オテロを陥れる材料がある」と、ロドリーゴに一通の手紙を見せた。かつてデズデモーナに恋したが全く相手にされなかったヤーゴは、彼女への復讐を考えていた。
第2場/エルミーロの屋敷
 侍女のエミーリアからオテロの凱旋を知らされたデズデモーナは、オテロとの許されぬ愛に苦しんでいることをエミーリアに告げ嘆く。父親のエルミーロは何とか娘とオテロの仲を引き裂こうと、デズデモーナに想いを寄せるロドリーゴに「娘と結婚させるから、父親である総督にオテロが謀反を企てていると告げるように」と言い、密かに娘の結婚パーティーの準備をさせる。
第3場/パーティー会場
 エルミーロが皆の前で「娘のデズデモーナとロドリーゴが結婚する」と発表するので、何も知らされていないデズデモーナは困惑する。そこへオテロが現れ「自分は既に彼女と結婚を誓い合っている!」と叫び、デズデモーナもこれに同意するので、怒ったエルミーロは無理やりデズデモーナを連れて出て行き、ロドリーゴはオテロを追い出そうとする。オテロは激しくこれに抵抗する。
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