【基礎データ】
ペネロプ/Penelope
作曲者:ガブリエル・フォーレ/Gabriel Faure(1845~1924)
台本:レネ・フォショワ/Rene Fauchois(1882~1962)、フランス語 原作:ホメーロス/Homeros(伝説的ギリシャ詩人で「オデュッセイア」作者と言われている)古代ギリシャ叙事詩「オデュッセイア/Odysseia,Odyssey」より
初演:1913年3月4日、モンテ・カルロ歌劇場/Opera de Monte-Carlo
演奏時間:前奏曲7分、第1幕51分、第2幕27分、第3幕32分、合計約1時間57分
楽器編成:2Fl,Pic,2Ob,EH,2Cl,Bs-Cl,2Fg/4Hr,2Tp,3Tb,Tub/Tim,Pec/Hp/Str
概説: 1907年の夏をモンテ・カルロに滞在していたフォーレは、ソプラノ歌手のリュシエンヌ・プレヴァルから、若い台本作家ルネ・フォショワを紹介される。フォーレはフォショワが書きあげていたホメーロスの「オデュッセイア」を気に入りオペラ化を決定する。しかし当時のフォーレはパリ音楽院院長としての任務が多忙であったため、主要な登場人物ユリッスの息子テレマクスの話を割愛し、5幕ものから3幕ものに約めて台本を作り直させた。その上、第2幕の大半とフィナーレのオーケストレーションをフェルナン・ペクー(Fernand Pecoud,1879~1940)と言う新人音楽家に委託し、フォーレは監修を行った。それでも作品の完成には5年の歳月を要したのであるが、フォーレのオペラは古典的だと評され、結局初演は3公演で打ち切られてしまった。その後パリ公演では好評を博すも、当時はイタリアのヴェリズモオペラが絶大な人気であったことと、シュトラウスの「サロメ」のような現代的なオペラがもてはやされていたために、大げさな音楽を嫌うフォーレのオペラ第1作目、気品高き名作「ペネロプ」は影の薄い存在となってしまったのである。
by MI
最終更新:2010年2月9日

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