第3幕 シテロン山麓の沼
その頃、騙されていたことに気がついたジュノンは激怒しアテネから帰ると、メルキュールを問い詰める。メルキュールは「これから始まる婚礼を見れば真相がわかります」とジュノンを宥め、物陰に引っ張って行く。結婚のお祝いが始まり、木々の精ドリィーヤード、森の精サティール、妖精達がやって来て「歌おうこの日、愛の神の力を称えよう」と合唱し、歌に合わせて蛙の引き車に乗ったプラテがヴェールを被って現れる。両脇にはシテロンとジュピテルが付き添っている。プラテは愛の神アムールと結婚の神ヒュメンが居ないことを訝るが、メルキュールは「アムールは忙しくて来られなかった」と言い繕う。ご機嫌を損ねたプラテの前に弓矢をもったモミュスがアムールの代役だと言って現れ、涙、悲しみ、悲鳴、倦怠を「神々からの結婚祝いです」と言って渡そうとするのでプラテは断る。次にフォリーが「愛の神よ、矢を射て、矢筒を空にして」とはやし立て、美の三女神の扮装をしたモミュスの従者が滑稽な舞いを踊りだす。いよいよジュピテルがプラテの手を取って結婚の誓いを始めたその時、様子を窺っていたジュノンが我慢できなくなって踏み込んでくる。そして花嫁のヴェールをはぎ取ると、現れたのは醜い年寄りのプラテでジュノンは思わず噴き出してしまい、ジュピテルも一緒に笑い出す。ようやく自分がからかわれていたことに気がついたプラテは怒って逃げ出す。ジュノンはジュピテルと仲直りをし、神々も雷鳴を轟かせて天に帰って行く。村人やフォリーは「プラテを称え、陽気に歌おう」と冷やかすので、怒ったプラテはシテロンに復讐を誓い沼に飛びこむ。村人達はジュピテルとジュノンの仲直りを祝って「お芝居はいかがでしたか?」と歌い、ジュピテルとジュノンは「酒の神バッカスの勝利だ」と答えて幕となる。
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