【あらすじ】
時と所:60年頃 ローマ帝国
プロローグ:
「幸運の神」と「美徳の神」が互いに自分の必要性を訴え合っている処へ、子供の姿の「愛の神」が現れ、愛こそが最も大切だと、これからの物語を暗示する。
<第1幕> 
第1場/ポッペア邸の庭
ローマの将軍であるオットーネが、戦場から我が家に帰ってくると、屋敷の庭でローマ皇帝の護衛兵が2人居眠りをしていた。つまり今、屋敷の中にはローマ皇帝であるネローネがいて、妻のポッペアが浮気をしているのだ。妻を深く愛しているオットーネは、嘆き悲しむ。目を覚ました護衛兵が、国政を蔑ろにして不貞を働いている皇帝を批難している所へ、愛人のポッペアを伴った皇帝ネローネが出てきた。別れを惜しむポッペアにネローネは、皇后であるオッターヴィアを何とか追い出すまで、皇后になるのは待ってほしいと言い去って行った。
第2場/ポッペア邸の屋敷内
ポッペアの乳母アルナルタが、皇后オッターヴィアの報復を怖れ、ポッペアの不貞を咎めるが、ポッペアはまるで取り合わず笑い飛ばす。
第3場/皇帝の宮廷
皇后オッターヴィアの乳母は、夫の浮気を嘆くオッターヴィアを慰め、彼女にも浮気を勧めるが、オッターヴィアはとてもそんな気にはなれない。そこでオッターヴィアは、夫ネローネの師である哲学者のセネカに、皇帝への忠告を頼みに行く。しかし皇帝ネローネがセネカに「妻は後継ぎを産むことができないので、愛人と結婚する」と言った時、セネカはそれを咎めたため、怒ったネローネは師であるセネカを宮廷から追放してしまう。
第4場/ポッペアの寝室
皇后になるには、皇帝ネローネの師であるセネカが邪魔だと思ったポッペアは、ネローネに「セネカが皇帝をバカにしている」と吹き込んだ。怒ったネローネは衛兵隊長に命じ、セネカに自らの命を絶つよう告げに行かせる。
第5場/ポッペア邸のバルコニー
バルコニーにいるポッペアに向かい、外から夫のオットーネが不貞を詰るが、ポッペアは悪びれず部屋の中へ姿を消す。オットーネには、言い寄ってくるドルジッラという皇后の侍女もいたが、オットーネはポッペアへの愛を諦められなかった。
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