ラインの黄金
第1場:ラインの河底
「静かに晴朗な動きで」ラインの河底を思わす低音の響き。河底に眠るラインの黄金の見張り役である、三人のラインの乙女が河底の岩を取り巻き泳いでいる。
「この世の果てのゆりかごへ、流れてお行き、ちぢれ雲。流れてお行き、水すまし。」(寺山修司訳)
そこにニーベルング族の小人アルベリヒが現れる。ラインの乙女に恋をしたアルベリヒは言い寄るが、乙女は醜い小人を嘲笑し相手にしない。その時水上から日が射し込み、河底の黄金が目映く輝く。ラインの乙女は好色なアルベリヒにこの黄金の魔力をつい語ってしまう。「この黄金から作った指輪を持つ者は世界を支配出来る。しかし愛の喜びを断念した者だけがこの指輪の魔力を得ることが出来る。」 これを聞いたアルベリヒはこの黄金を奪い取り、素早く深みへと姿を消す。その瞬間暗闇になり、乙女は驚き後を追うが間に合わない。舞台転換。
つづく
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