第3幕
 ミンチョ河畔のスパラフチーレの経営する簡易ホテル。彼は妹のマッダレーナと暮らしていて、彼女がくわえ込んできた客から、金品を強奪したり、殺害したりして生活している。家の中ではスパラフチーレが刀の手入れをして、外にはリゴレットとジルダがいる。今リゴレットは、公爵を殺そうと企んでいる。そして娘のジルダに、浮気をする公爵をみせて、諦めさせようとしている。その公爵が軍服姿で颯爽とあらわれ、余りにも有名なアリア「女心の歌」をうたう。スパラフチーレは妹に公爵の相手をさせ、自分は外に出てリゴレットと打ち合わせて、舞台裏に姿を消す。リゴレットは娘に塀の穴から中をのぞかせて、公爵がマッダレーナを口説いているところを見せる。それをみて、ジルダは絶望する。ここでそれぞれが自分の心境を吐露する、これもまた有名な四重唱が展開される。「何と美しい人」と誘いをかける公爵、「ご冗談を」といいながらまんざらでもないマッダレーナ、「だまされたこの身」と嘆くジルダ、「泣いて何になる、復讐だ」と怒るリゴレットという具合である。リゴレットはジルダに、男装してヴェローナに行くように命じ、その後でスパラフチーレに半金を払って殺しを依頼する。やがてリゴレットが去り、スパラフチーレが家の中に入ると、外は急に激しい嵐になり雷鳴が鳴り渡る。中では公爵がマッダレーナを口説きながら、2階の別室に消える。公爵が寝てしまうと、スパラフチーレとマッダレーナは、殺しの一件で口論になる。実はマッダレーナは公爵にぞっこん惚れ込んでいるので、あのせむしの依頼人を殺してくれという。スパラフチーレはそれに取り合わないが、結局は妥協して、もし真夜中の前に訪ねて来る者がいたら、そいつを身代わりにしてしまおういうことになる。これを聞いたジルダは、自分が愛する公爵の身代わりになろうと決心する。
 しばらくしてジルダは戸を叩くが、激しい雷鳴の轟く中で彼女は犠牲になる。真夜中になって約束どおり、リゴレットがやって来る。スパラフチーレはずっしりと重い袋をリゴレットに渡すと、残金を受け取ってそのまま姿を消す。これで復讐が出来たと、リゴレットは満足げに袋を引きずって河原の方に行く。するとスパラフチーレのホテルから、公爵のうたう「女心の歌」が聞こえて来る。驚いてリゴレットは袋を開けてみると、中には娘のジルダが虫の息で横たわっている。嘆き悲しむリゴレットに、ジルダは不孝を詫びながら息を引き取る。ああ、あの呪いをとリゴレットは、ジルダの上に失神して倒れる。幕。
(C) 出谷 啓
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