第2幕
第1場 ビヴァール城の広いテラス
エルナンとベルムードは城のテラスでチェスをしている。兄であるエルナンの方が優勢で勝負を進め、チェックメイトを掛ける。劣勢の弟、ベルムードはロドリーグに勝負の助けを請うが、ロドリーグはシメーヌのことで頭がいっぱい、チェス勝負には関心がなく、その場から去る。そこへ、外に一人の乞食を見つけ、残った二人は乞食に救いの手を差しのべようと傍へ来る様に促す。欲しいものは何かと、次から次へと物を列挙する。しかし、乞食は食することに困らず、財産もあると答える。不可思議に陥っている二人に、その乞食は強い口調で自分が父親であることを明かし、二人は驚愕する。ドン・ディエーグは名誉を傷つけられたことへの復讐を果たしてくれと息子に請うが、二人とも臆病風が吹きその場から逃げ去ってしまう。嘆く父親の前にロドリーグが現われ、父親は自分に降りかかった名誉毀損の屈辱をロドリーグに果たすよう説得する。ロドリーグは父親を侮辱した者の名前を聞くと、なんと自分の恋人であるシメーヌの父親であった。驚くロドリーグを尻目にドン・ディエーグは自らの剣を長男ロドリーグに託し、その場から去る。ロドリーグはシメーヌヘの愛と父親の復讐との板ばさみに遭い、剣を手に逡巡。ここで今の境遇を嘆くアリアを歌う。すると自分達の主が侮辱を受けた知らせを聞きつけた兵士達がドン・ディエーグの前にその屈辱を晴らそうと志願にくる。ドン・ディエーグはロドリーグに託した剣が残念なことに放置されていたため、その剣を取り、一人の志願兵に渡そうとする。そこへ、一大決心をしたロドリーグが現われ、その剣を自分が受け取ると宣言する。ドン・ディエーグはロドリーグに剣を託し、ロドリーグはこの剣で自らの父親の受けた侮辱を晴らすことを誓う。

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