ばらの騎士
あらすじ-第1幕
陸軍元帥ウェルデンベルクの邸内。元帥夫人の寝室。元帥夫人マリー・テレーズは夫との生活の虚しさを、17才の恋人オクタヴィアン伯爵との忍び逢いで紛らしている。昨夜も夫がいないのをよいことに二人で過ごし愛の遊戯に浸っていた。すると邸内に足音が。慌てて彼を物陰に隠すと、入ってきたのは元帥夫人の従兄のオックス男爵だった。まもなく隠れていたオクタヴィアンが侍女に変装して現れる。女好きのこの男爵、侍女に扮して出てきたオクタヴィアンにも口説きにかかる。オックス男爵は以前、元帥夫人を愛したことがあったが、今は成金貴族ファニナルの娘ソフィーと結婚することになっている。この日は貴族社会の古い習慣によって、ソフィーとの結婚のしるしとして、ファニナル家のもとへ銀のばらを届ける騎士を推薦してもらうべく訪れたという。元帥夫人が推薦したのはオクタヴィアンだった。やがて元帥夫人の朝の日課が始まり、大勢の召使い、理髪師、洋服屋、音楽家などがどっと入ってくる。やがて一人になった元帥夫人はひとり鏡の中の自分を見つめながら、輝かしい若い日を思い出し、オクタヴィアンも手放さなければならない日が近づいていることを感じる。
つづく

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