【あらすじ】
<第1幕>
森に囲まれた、湖のほとりの草原
月明かりに照らされている三人の森の精たちが、美しい歌を歌いながら踊っている。その声に引き寄せられ、水の精の男ヴォドニックが現れる。水の精ルサルカは、父なるヴォドニックに、「この湖で水浴する人間の王子に恋をしたので、人間になりたい」と打ち明ける。彼は、それは間違いだと戒めるが、ルサルカの強い思いに負け、仕方なく「魔法使いのイェジババに願えば、人間にしてもらえるかもしれない」と教え、湖底へ帰って行った。ハープのメロディーが、まるで水の精を表現しているかのように流れ、一人ルサルカは、「月よ、愛しい人に私は待っていると伝えて」と、王子への熱い思いを歌う。アリア<月に寄せる歌>(Mesicku na nebi hlubokem)。ルサルカはイェジババを呼び出し、人間になりたいと願う。魔女は、人間の魂と容姿を与えることはできるが、その代わりに声は出せないという。またこの恋に破れたときは、ルサルカは二度と故郷の水底には戻れず、愛する人の命を奪わなければならないと話す。王子に夢中のルサルカは「あの人を知ることさえできれば、声なんていらないわ」と、この条件を承諾する。ここで、イェズババがユーモアあふれる歌で呪文をかける<アブラカタブラ>(Cury mury fuk)。魔法の力で引き寄せられてやって来た王子は、人間になったルサルカの美貌にすぐさま魅了され、自分の城へと連れて行くことにした。


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