<第3幕>/ナイーナの城
邪悪な魔法使いナイーナが、魔法の城に旅人たちをおびき寄せていると、まずゴリスラーヴァという女性がやってきた。彼女はハザール国王子ラトミールのハーレムにいた侍女で、ラトミール恋しさに彼を追ってきたのだ。続いてそのラトミールが現れると、さらわれたリュドミーラを探す旅に疲れたと言い、遥か故郷の楽しかったハーレムを思い出し溜息をついた。恋するラトミールの姿を見つけ狂喜したゴリスラーヴァは彼に駆け寄るが、老婆ナイーナの魔法にかかったラトミールは、すぐに彼女のこともリュドミーラのことも忘れ、ナイーナの侍女たちの歌や踊りに魂を奪われていった。
そこへ同じく魔法でおびき寄せられた、リュドミーラの婚約者ルスランがやってきた。ルスランを見つけたゴリスラーヴァは、ナイーナの侍女たちに魅せられたラトミールを、正気に戻す手伝いをしてほしいとルスランに頼むが、必死に懇願するゴリスラーヴァに、何故かルスランは心惹かれてしまう。これもルスランがリュドミーラを忘れるためにと、ナイーナがかけた魔法のせいだった。
しかしそこへ善良な魔法使い老人フィンが現れ、杖をひと振りしてナイーナの魔法を全て解いた。皆は正気に戻り、魔法の城もナイーナの侍女の娘たちも消え、その場は静かな森に戻った。その後ルスランはすぐにリュドミーラの救出に向かったが、ラトミールは自分を追ってきたゴリスラーヴァを愛おしく思い、今度はルスランの手助けをすることにした。
第4幕へ
オペラ名曲辞典TOP